アーティクル

VIPインターナショナルクラブ

宣教戦略シンクタンク「RACネットワーク」福田充男

3ページ/3

 

活動の意義

VIPクラブの活動は、長年なおざりにされていた新しい宣教地に光を当てました。会社教が崩壊する前は、会社の強い拘束力のゆえに、ビジネスマンに福音を届けることは至難の業でした。ビジネスマンは会社にほとんどのエネルギーを絞り取られていたので、疲れ切っている彼らを日曜に教会に誘うのは現実的なアプローチではありませんでした。ここに、従来のキリスト教会が、主婦と子どもをターゲットにせざるをえなかった一つの理由があります。

 

しかしながら、クリスチャン・ビジネスマンによる宣教ムーブメントが始まったとき、日本のクリスチャンは、長らく覆われていた伝道の領域に注目し始めました。日本宣教の歴史において、ビジネスマンが主要な宣教の主体となったことは、今回が初めてのことです。彼らは資格を持つ説教者ではありませんが、生き生きとした証を通して福音の力を証言します。彼らは宣教師ではありませんが、新しいタイプの小グループを、都会の宣教最前線に開拓します。この信徒ムーブメントは、聖俗二元論を克服して、宣教と職業とを融和的にとらえる神学的視点の転換という要素を含んでいます。

 

教会とムーブメントの関係

既存の教会とこの宣教ムーブメントの間に生じる衝突は避けられなければなりません。教会はこの宣教ムーブメントを歓迎し、支援するべきです。なぜならこのムーブメントは日本における宣教活動の穴を埋めるものだからです。一方、VIPクラブは教会を尊び、協力関係を維持する必要があるでしょう。なぜなら、宣教のあり方は違いますが、使命を授けられた方は同じ神だからです。実際、これらの二種類の神的共同体が互いに支え合うならば、より大きな収穫が期待できるでしょう。教会は、都会で救われたより多くのビジネスマンを獲得し、VIPクラブも教会が蓄積している霊的・神学的・人的な資源を活用することができます。

 

嫉みと権威主義は宣教ムーブメントを窒息させてしまいます。また、傲慢と主観主義は混乱と分裂をもたらします。使徒の働き第8章4〜25節の記事は、教会の権威と信徒ムーブメントの関係を考える上で参考になります。信徒伝道者であるピリポは、サマリアでめざましい宣教活動を展開しましたが、エルサレム教会の権威を無視しませんでした。彼はエルサレム教会にペテロとヨハネを派遣するように要請し、サマリヤにおける彼の活動がより高い権威によって認証されることを求めました。

 

ここに、教会の牧師とムーブメントリーダーの双方に対する、少なくとも二つの教訓を見いだすことができます。まず、牧師はムーブメントリーダーたちを用いておられる聖霊の働きを妨げず、かえって、牧師に与えられた権威と牧会的配慮によって新しく救われた人々を守る必要があります。一方、ムーブメントリーダーは、秩序を重んじ、へりくだって、神が牧師により大きな権威を与えられたことを認める態度が必要です。

 

牧師は与えられた権威を慎み深く用い、ムーブメントリーダーは謙遜になって自分の分を果たす。それを可能にするのは、優れた導き手である聖霊の働きです。この宣教ムーブメントの継続的な成長は、両者が神に信頼して互いの領域を認め合うことができるかどうかにかかっていると考えられます。

 

Mitsuo Fukuda, "Mission to Japanese Businessmen through International VIP Club". Strategies For Today's Leader, Summer 2000, pp.21-24