アーティクル

VIPインターナショナルクラブ

宣教戦略シンクタンク「RACネットワーク」福田充男

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ムーブメントの特徴

ビジョンの提示とムーブメントの継続

ムーブメントの中心的なリーダーたちは、世界宣教に対する強い意識を持っています。彼らは、集会で繰り返し世界宣教のビジョンについて語ります。ビジョンのないところでは、互いに親密にはなっても、姿勢が内向きになってしまう危険性があるからです。日本のビジネスマンにとって、自分たちのミニストリーが世界に広がっていくことを想像することは、あまり難しいことではない、とリーダーたちは考えています。なぜなら、日本のビジネスマンは、すでに経済の領域において世界の隅々にまで派遣されるという経験をしているからです。

 

ニーズを見極めた伝道

VIPクラブのメンバーたちは、主要な都市のホテル、レストラン、オフィス、メンバーの自宅、大学等で集会をしています。これらは、オフィス街から通いやすい場所です。郊外にある教会は、ビジネスマンにとって、集まるのに便利な場所とは言えません。たとえば、2時間電車に揺られて東京へ出勤しているビジネスマンが、郊外の教会で開かれている夜の祈祷会に参加するのは困難です。たとえ自分たちが参加できたとしても、同僚たちをそこに誘うことはもっと難しいと思われます。ホテルのレストランで仕事の打合せを兼ねた朝食を取ることは、管理職にあるビジネスマンの習慣となっています。朝、ホテルでクリスチャンの交わりをすることは、ビジネス文化を伝道のために用いることに他なりません。

 

金森一雄氏(富士銀行本店法人第三部審査役)は次のようにコメントしています。「日本のビジネスマンの最も大きなニーズは何でしょう。それは、安全で親密な人間関係の中で、自分たちの物語を話すことです。彼らは抱えきれないほどの心理的な葛藤を感じているにもかかわらず、その心情を吐き出す場所がないのです。心の内に渦巻く隠れた感情を言い表すことのできるクリスチャンの集会は、都会の『癒しの場』として機能しています」。ビジネスマンのもう一つのニーズは、ネットワークを広げることです。VIPクラブの集会では、名刺交換の時間がありますが、これは、異業種の人々と知り合いたいというニーズを持っているノンクリスチャンのビジネスマンにとって大きな魅力となっていると考えられます。

 

構造

このムーブメントは、3種類の集会に分類されます。一つ目の集会は週一回の祈り会です。徹夜祈祷会も月に二度、東京周辺で持たれています。祈り会のテーマは多岐にわたっています。互いの個人的な課題について祈り合うとともに、日本のリバイバルと世界のリバイバル、皇室、政治家、官僚、ビジネスマン、法曹関係者、マスコミ関係者の救いのために祈ります。祈り会には三つの特徴があります。

 

  1. 神が祈りに答えてくださるという強い期待感
  2. 伝道の進展が課題の中心となっている。宣教活動に関心が集中しているので、教派の壁を乗り越えることができます。
  3. 導きと力を受け取る。彼らは祈りを通して、具体的な戦略とそれを実行するための力を受け取ります。

 

VIPクラブもホテルミニストリーも、これらの祈り会から生まれました。祈り会がこの活動の原動力となっているのです。

 

二つ目の集会は、月に1度開かれる「VIPクラブ」と、夏期とクリスマスシーズンに開かれる「フェスティバル」と呼ばれる二種類の伝道集会です。これらは、ビジネスマンによる、ビジネスマンのための集会です。集会の中では、生き生きとした証が語られます。それらは、ビジネスマンの生活に密着したものなので、聞く者の心に迫ります。ビジネスマンなら誰でも思い当たるような課題が、キリスト信仰によって解決されたという実際の経験が語られるからです。フェスティバルは、伝道集会と祝典という二つの機能を担っています。500人のビジネスマンがホテルに集っていることを目の当たりにする参加者は、神が抱いておられる世界大の宣教という大きなイメージを受け取ることができます。また彼らはそこで、神の家族の一員であるという絆を意識するのです。

 

三つ目の集会は、小グループです。それらはホテルミニストリー、オフィスミニストリー、ホームミニストリーと呼ばれています。これらの活動の目的は三つあります。すなわち、?信者の交わり、?伝道集会でキリスト教に興味を持った未信者や求道者のフォローアップ、?リーダー育成、です。リーダー育成は組織的な学校型の訓練ではなく、それぞれの現場における実地訓練の形を取ります。小グループに参加する多くの人々が、リーダーたちの言葉や生活を通して世界宣教のビジョンを受け取り、自分たちで新しい小グループを開拓するように導かれます。

 

リーダーたちは、小グループの開拓者たちのために祈ることを通して、また、親密な個人的な交わりを保つことを通して、引き続き彼らを励ましています。