アーティクル

VIPインターナショナルクラブ

宣教戦略シンクタンク「RACネットワーク」福田充男

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インターナショナルVIPクラブは、今日(2000年3月現在)の日本における宣教状況の中で特筆すべき特徴を備えています。これは、東京、大阪、名古屋等の大都市に勤務するビジネスマンの間で広がっている宣教ムーブメントです。

 

1993年に東京で、少数のビジネスマンのグループによって始められましたが、最初の4年間は大きな成果はありませんでした。しかし、1997年3月に、「B&P・ウィナーズ・フェスティバル」と称する大きな伝道集会を開催したことを機に、急激に成長しました。その日には、東京のウェスティンホテルで、約450人のビジネスマンと専門職の人たちが集まりました。VIPクラブのメンバーはそこに集まったビジネスマンたちに、ホテルのレストランで小グループの集会を始めるようにと励ましました。このビジョンを受け取った人々は、都心のホテルのレストランやオフィス、メンバーの自宅など、彼らの勤務先から通いやすい場所で集会を始めたのです。

 

現在、毎月伝道集会が、東京(9箇所)、大阪、名古屋、高松、ラゴス(ナイジェリア)、バンコク、タイ、ニューヨークの15箇所の都市で開かれています。また、毎週百を超える小グループが、主にホテルのレストランで活動しています。フェスティバルと呼ばれる大集会も、夏期とクリスマスシーズンに、都心のホテルの大ホールやコンベンションセンター等で開かれています。

 

最近では、1999年に東京で開かれたクリスマスフェスティバルに、1200人を超えるビジネスマンが集まりました。

 

会社教の崩壊

会社教とは、会社が持つ大きな力に対する信仰です。会社とは、ビジネスマンが契約している営利行為を目的とする社団法人で、ビジネスマンが自らの運命を委ねる対象となっています。多くのビジネスマンは、生活のほとんど全てを会社に依存しています。それで、ビジネスマンの主要な関心事は、会社との調和のとれた関係を維持することや会社の繁栄に貢献することでした。このような努力によって、ビジネスマンは社会的地位と安定した収入を獲得してきたのです。この信仰体系は、経済成長期に有効に機能しました。

 

しかしながら、長引く不況の中で、多くのビジネスマンは、伝統的な会社中心の価値観と、そのシステムに行き詰まりを感じるようになりました。今の状況では、会社に奉公しても、より良いポストや高い給料を求めることは困難です。それどころか会社自体の倒産やリストラの危機さえあります。会社は、もはやビジネスマンの生活を保護したり、社会的地位や利益分配を保証することができなくなりました。その結果、会社教はその力を失っていきました。この会社教の崩壊は、少なくとも二つの結果をもたらしました。

 

一つは、ビジネスマンの会社に対する見方が変わったことです。不況以前は、会社は崇拝の対象であり、ビジネスマンの忠誠を集約するところでした。しかし今では、人々は会社の拘束力から自由にされて、仕事を変えるチャンスを持つようになっただけではなく、能力と機会さえあれば、自分のビジネスを始めることができるようになりました。ビジネスマンは会社の名のゆえに個性や欲望を抑圧する必要がなくなったのです。

 

二つ目は、ビジネスマンの心理的葛藤です。今の会社にはビジネスマンの抱えているストレスを緩和したり管理したりする余裕がありません。VIPの伝道活動の成長の背景の一つに、多くのストレスを抱えたビジネスマンが、クリスチャンが提示する新しいコミュニティに、癒しの場を求めたことが挙げられます。

 

電子メールの有効利用

通信技術の発達は、クリスチャンビジネスマンの相互交流を容易にしました。彼らは電子メールで、祈りの課題を知らせ合ったり、同僚に福音の力を証言したりしています。それは単なる通信手段を超えた、友情を育むための媒体として用いられています。

 

VIPクラブの創始者の一人である市村和夫氏は、次のようにインタビューに答えました。「もし教会の他のメンバーと親密な関係を持つ時間が、日曜の午後しかなかったとしたら、友情を築いたり、相手の生活に関心を持ったりすることは難しいでしょう。電子メールは都会で、他のクリスチャンビジネスマンと連絡を取るための重要な伝達手段の一つです。もちろん、ほとんど毎日直接会っていますが、電子メールはより便利ですし、時間の節約になります。」