アーティクル

天外内トレーニング

日本でキリストの弟子となるために

宣教戦略シンクタンク「RACネットワーク」福田充男

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その7 天外内組

互いに罪を告白する

携帯電話で、アダルトサイトにアクセスする習慣から抜け出すことができないで苦しんでいた十代の少年と、週に1度会っていた時期がありました。神様がそれを喜ばれないことを知っていたので、彼は、「やめたいよ。本当に変わりたいよ。」と言って泣きました。

 

「誘惑に打ち勝つ力を神様が与えてくださるように」と祈って、次の週に再会しました。結果は惨敗でした。それでもなお、二人で心を合わせて祈りました。すると次の週。7日間のうち1日だけアクセスしない日がありました。それは大きな前進でした。翌週には2勝5敗、翌翌週には3勝4敗というように、アクセスしない日が増えてきました。そしてついに、1週間に1度もアダルトサイトを見ないで過ごすことができるようになりました。

 

彼はその後、誘惑にさらされやすい午後9時以降は携帯電話を使うことができないようにと、タイマーをかけることを自分で思いつき、それを実行しました。

 

少年の戦いが自分の戦い、少年の勝利が自分の勝利となるような関係を結ぶことができたことは、神が与えてくださった美しい経験でした。

 

「もし、私たちが自分の罪を言い表わすなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。」(第一ヨハネ1・9)

 

確かに神様は、自分の間違いを認め、主こそ正しいお方であると宣言するなら、神様との一対一のやりとりの中で赦し清めてくださいます。

 

しかし一方で、ヤコブはその手紙において「互いに罪を言い表わし、互いのために祈りなさい。いやされるためです。」(ヤコブ5・16)と教えています。愛し合い支え合う関係の中で互いに正直に告白することで、罪を犯したことによって傷ついた心に癒しが与えられます。また、罪の力に立ち向かう勇気が与えられます。

 

聖書+とりなし+わかちあい

天外内トレーニングでは、毎朝個人で罪の告白しますが、毎週グループで互いに罪を告白します。このグループを「天外内組」と呼んでいます。「LTG」という呼称で知られているアカウンタビリティグループをアレンジしたものです。罪の告白とともに、一週間で経験した恵みの経験や、各自が取り組んだ課題についても分かちあいます。

 

それは、1週間に1度、約1時間、同性の仲間数人で集まり、天外内デボーションと同じような6つの質問に答えていきます。4人目が加わるときにはグループを2つに分けます。メンバーは必ず2名か3名で構成されます。

 

「天」、つまり神との関係を表す最初の2つの質問は、次のようになります。「1週間を振り返って、神様が一緒にいてくださったなと思うときは、どういうときでしたか?」

 

「先週読んだ聖書の箇所を通して神様は何をしなさいとおっしゃいましたか? その命令に、どのように従いましたか?」

 

「外」、つまり世界との関係と、「内」、つまり自分の内面及び信者仲間との関係を表す第3〜第6の質問は、天外内デボーションの質問と内容がほぼ同じです。

 

「先週、誰に、どのように仕えましたか?」「先週、誰にどのように福音を伝えましたか?」「先週、罪を犯しましたか?」「先週、信者仲間や宣教チームのメンバーに対して、どのように愛を示しましたか?」

 

パートナーの告白を聞いたら、第一ヨハネ1章9節を宣言し、罪の赦しを一緒に受け取ります。

 

天外内組には指導者がいません。箴言27篇17節には、「鉄は鉄によってとがれ、人はその友によってとがれる。」と記されています。誰かを育てるために始めるのではなく、自分がその交わりを通してとがれるために、自分自身の成長のために取り組んでください。

 

すると、相手もとがれるようになります。弟子育成は、神と友の前に正直に真実に生きようとする人たちの交わりから生じる副産物なのです。

 

週に1度、天外内組で会うときには、全員が6つの質問に答えます。この分かちあいが、天外内組の「内」に相当する要素です。「天」に相当する要素は、聖書通読。「外」に相当する要素は、未信者の家族や友人に対するとりなしです。天外内組は、「天」=「聖書通読」と、「外」=「とりなし」と、「内」=「分かちあい」を組み合わせたシンプルな弟子育成システムです。

 

聖書通読ととりなしは、グループで会うときにするのではなく、日常ベースで行ないます。ただ、どの聖書箇所を読むか、誰のためにとりなしをするかは、グループで話しあって決めます。

 

それでは、聖書通読について説明しましょう。聖書は週に25章から30章ぐらいを読むように各グループで決めます。たとえば、創世記なら全部で50章あるので、2週間分ということになります。エペソ人への手紙は6章あるので、1週間に5回読むことができます。コリント人への手紙は、第一と第二を合わせると29章なので、ちょうど一週間で読む量に相当します。

 

あらかじめ約束した分量の聖書箇所を、パートナーが期日までに読んでこなかったなら、次の箇所に進まないで、もう一度全員が同じ箇所を読みます。全員が指定箇所を読み切るまで、何度でも読み直します。その際、読まなかった人を責めないでください。繰り返し読むことになったとしても、ご聖霊がその箇所を通して、特別なレッスンをお与えになると信じてください。

 

次にとりなしについて説明します。もし、3人構成のグループなら、それぞれの人が「救いを受け取ってほしい人」の名前を2人ずつあげます。2人構成のグループなら、それぞれが3人ずつ名前をあげてください。合計6名の名前が挙がります。

 

全員が毎日、それら6名の内の1人のためにとりなします。そのことにより、1人の未信者が1週間の間に2人か3人の人々によって継続的に、具体的に、戦略的に祈られることになります。

 

祈りが応えられ、回心者が起こされると、多くの場合、その回心者は自分を救いに導いてくれた人と翌週から天外内組を始めます。あるいは、2人構成のグループに3人目のメンバーとして組み入れられる場合もあります。

 

飢え渇きと忠実さが条件

天外内組を始めるためには、2つの条件を満たしていなければなりません。第1に、キリストに対して渇いていることです。「何が何でも変わりたい!」と思っていることが重要です。

 

第2に、プロセスに忠実であることです。決めたことを守る覚悟のない人は、始めない方がよいのです。

 

そんな証し人が起こされてくると、周囲の人に飢え渇きが伝搬していきます。