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シンプリーチャーチ

宣教戦略シンクタンク「RACネットワーク」福田充男

[ 第1章  パラダイムシフト ]

 

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  1. はじめに
  2. 第1章  パラダイムシフト
  3. 第2章  聖域にメスを入れよう!
  4. 第3章  教会と神の御国
  5. 第4章  現在の神の御国と、まだ実現していない神の御国
  6. 第5章  では、教会とは何か
  7. 第6章  共に集まるとき
  8. 第7章  では、いったいだれがボスなのか
  9. 第8章  だれもがみな大切!
  10. 第9章  あなたはあっち、私はこっち
  11. 第10章 教会を始めてもいいですよ
  12.  ○付録
  13.  ○後注

 

第1章:パラダイムシフト

1517年にマルチン・ルターが95箇条の提題を貼り付けたとき、信仰による救いというクリスチャンたちの考え方に変化がもたらされました。歴史上の様々な転換点において、短期間のうちに地殻変動が起こりました。 そのような変化は少しずつ起きたのでも、あらかじめ計画されていたのでもありません。考え方における劇的な変化、物事に対する新しい見方が起こるような仕方で、概念や科学技術が生み出されたのです。

 

現在爆発的に拡大しているインターネットは、そのようなパラダイムシフトを代表するものです。わずか数年間のうちに、コミュニケーションに関する概念はその概念を支えている科学技術と共に、人々の働き方、コミュニケーションのとり方、ビジネスの仕方に文字通り変化を与える仕方で生み出されています。 旧約聖書の預言者ダニエルが終わりのときに知識が増し加わると述べたとき、それがどれほど劇的に起こるのかほのめかすことはできませんでした。何千年も前は、人類の知識が2倍に増えるのに数百年かかりました。 今では、7年ごとに、あるいはもっと速いペースで倍増しています。産業革命は一世代の間に、イギリスの外観を変えました。近年起きている科学技術の進歩は、同じような変化を数ヵ月のうちにもたらします。

 

同じように、教会での人々の生活や行いにおいて、世界中で大きな変化が起きているようです。20世紀だけでも、使途の時代の終わりから19世紀にかけて起きたすべての成長や変化と同じだけのことが起こりました。 私たちが新しい千年紀を始めるにあたり、そのことはアメリカの教会のどこに見ることができるでしょうか。

 

イギリスの『ニュー・チャーチーズ』の長老であるアーサー・ウォリスは、著書『Another Wave Rolls In(もう一つの波が押し寄せている、の意)』の序章に、教会が何世紀にもわたってどのような発展を遂げてきたか、見事に説明しています。 教会を通して流れる聖霊の働きを、押し寄せてくる波として示している彼のたとえには、力強さがあります。何というエネルギーでしょうか!波が岩にぶつかるときに示される、美しさと大いなる力は何とすばらしいものでしょうか。それを止めることのできるものは何一つありません。 一つ一つの波は、教会が把握すべきものとして示された、新しい真理です。宗教改革によって、信仰による救いという真理が示されました。バプテストによって、浸礼によるバプテスマの重要性が明らかにされました。ペンテコステ派によって、キリストのからだ全体が聖霊によるバプテスマについて再び注目するようになりました。 神はご自身の教会においてご自身の方法を打ち立て、いずれ花嫁である教会がしみのないものとなるように(エペソ5:26)、時代を通して真理を示して(時を超えたみことばの真理に新しい光を照らして)おられます。

 

 

アメリカの教会においても、地殻変動の発端に差し掛かっているように感じられます。20世紀はアメリカの世紀でした。しかし教会の影響力について見るならば、勢いは第三世界へと移ったように見受けられます。 アジアとラテンアメリカにおける驚くほどの教会成長、それを上回るほどの成長を見せているアフリカの一部などを見ると、この世代における聖霊の働きの最先端はアメリカ合衆国の外にあるように思われます。5、6アメリカの教会は神の御国のために、もう一度、そのサイズと財政力に見合った影響力を及ぼすことができるでしょうか。

 

クリスチャンの世論調査員として、また著者として有名なジョージ・バーナは、著書『The Second Coming of Church』の中で、現在アメリカの教会が人々に影響力をもたらしていないケースがあることを述べています。 彼の統計的なデータによれば、アメリカ人クリスチャンの大多数が、クリスチャンであることをほとんど示していないような日常生活を送っていることがうかがえます。「世界中を騒がせて来た者たちが、ここにも入り込んでいます」と言われることと、どれほど異なった状況でしょうか。

 

アメリカの教会は、もしベビー・ブーマーやジェネレーションX 、ジェネレーションY の世代に影響力を及ぼそうとするなら、自己改革する必要があります。「ドット・コム」や「e コマース」という今日の社会において、カタツムリのような動きでゆっくりとした変化を起こしているわけにはいきません。 前の世代のクリスチャン指導者であったデビッド・ワトソンは、有名な賛美歌『Onward Christian Soldiers(賛美歌379番:見よや十字架の旗高し)』を巧みにもじってこう述べました。「力強いカメのように、神の教会は動く。兄弟たちよ、私たちはいつも足踏みしてきたところで足踏みしている。 私たちは全く分裂し、多くのからだからなっている。真理と教理を求めつつ、あわれみに欠けている!」

 

神の時に変化が起こるとき、驚くべきことに、すべてはすでにみことばの中に書かれている、ということです。ソロモン王はこのことについて正しくとらえ、以下のように述べました。「日の下には新しいものは一つもない。」私たちが教会観を大きく変えなければならないということについて調べるとき、すぐに私たちは単に過去に戻ればよいということに気づきます。すべては『使徒の働き』に書かれています。マネージメント学の権威である学者は、著書『You2(You Squared)』の中で、飛躍的な進歩は、 しばしば正しい方向に目を向けるだけで起こると述べています。部屋から外へ出ようとして窓にぶつかり続けているハエは、もし向きを変えて、ドアが開いているのを見ることができれば、多くの痛みを体験することなく外に出ることができます。 同じように、教会にいる私たちも新鮮な目で(そして開かれた心で)聖書にはっきりと示されていることを見るなら、教会を自分たちのイメージによってではなく、神のイメージによって再構築する必要があることにはっきりと気づくことでしょう。

 

 

今日のクリスチャンたちが西洋における今の世代の人々に影響力を及ぼすことができるように、彼らを解放し、彼らに権威を授けるためには、もう一つの宗教改革を起こす必要があります。ゆっくりと変化を起こす時代は過ぎ去りました。 私たちの周りのこの世にいる人々に全く影響力を及ぼさないようにさせる要因は、それ以外にあるでしょうか。今はビジネスをしてテントメーキングをしている、私たち二人のイギリス人医師は、このような考えに基づいて、この本を通して前進するための道を示したいと願っています。

 

私たちは押し付けがましいことを述べているのではないことを願っています。この33 年間、私たちは教会を開拓するという召命に従うために、医療、宣教、そして最近はビジネスに関わってきました。 私たちは大西洋の両側における経験をもとに、過去30年間にイギリスで起きた福音派の活性化は、アメリカ合衆国における教会のより過激な変革と並行してなされ得ること、また、なされるべきことであると信じています。 神はだれをもえこひいきなされませんし、私たちの偏見にもかかわらず、神はイギリス人ではありません!

 

では、神が世界中の教会でなされていること、また聖書に示された神のみことばに対して従順であるために、どのような変化が必要であるかについて、これから見ていきましょう。

 

 

 

©著作権:2002 Tony and Felicity Dale 2006 日本語版発行
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