アーティクル

3.11以降の宣教

『2012年4〜7月号の「風知一筆」』より転載

宣教戦略シンクタンク「RACネットワーク」福田充男

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主を経験した人々への新しい皮袋

4晩連続で意味のある夢を見た。

 

第1の夢は、罪人が滅びていくのを目の当たりに見て、大声でとりなす夢だった。第2の夢は、大きな扉の鍵を持っていて、それを開ける夢だった。第3の夢は、賢者に会いに行って答えをもらう夢だった。第4の夢は、小さな2匹のリスが助け合う夢だった。しばらくして東日本大震災のことを思い巡らしていたときに、解き明かしが与えられた。

 

第1の夢は、日本人の救いのために積み上げられてきた祈りを指している。歴史上、日本ほど宣教のための資源が使われた国はなかったのだが、宣教が開始されて460年以上経った今も、クリスチャンは少数派にとどまったままだ。

 

しかし、日夜叫び求めている神の民の祈りは、神の耳に届いている。日本だけでなく、世界中で日本のために捧げられてきた祈りを、神が無視されることは決してない。

 

第2の夢は、神が祈りに答え、震災後、閉ざされていた扉が開かれたことを意味する。今や被災地では、幻や夢や超自然的な現象を通して神が直接的に未信者の方々にご自身を現わしておられる。

 

ある年配の男性は、地震があったその日、津波に飲み込まれて目の前が真っ暗になったが、神が津波から彼を引き出して救ってくださったという。彼は私の友人に、「神が救ってくださった」と説明するタイミングで十字架のネックレスを胸から出した。東北の年配の男性が十字架のネックレスをしているのは珍しいことだが、日本人が神をイエス様と結びつけて話すことも稀だ。彼は福音を聞く前にイエス様に出会ったのだ。

 

ある訛りの強いおじいさんは、夢の中で出会ったイエス様に向かい、「クリスチャンに助けてもらって、お世話になっています。」とお礼を言ったのだそうだ。するとイエス様から、「クリスチャンの友達のところに行って、私のことを聞きなさい。」と言われたという。

 

仮設住宅に住んでいるあるおばあさんは、イエス様から東北弁で話しかけられた。その出来事を隣に住む人と話した時のことのように報告してくれた。「あんたがたの言っているイエス様は、『みんな津波で流されちまったが、心配すっごだねえ。これからはきれいな水が流れるから。』と言ってた。」

 

その他、御言葉を語るクリスチャンの背後に白い十字架を見たという自治会長さんや、祈りを通して難病が癒された2歳の女の子など、不思議な証は枚挙に暇がない。すでに門は開かれているのだ。

 

第3の夢は、伝道される前にイエス様に出会ったこれらの人たちにどう対応するかという戦略に関係している。彼らは、家や町や地域がごっそり勝ち取られる弟子育成ムーブメントの起点となる人々である。ルカ10章にある「平安の子」の可能性が高い。だから、不思議なことが起こったと言って驚いている場合ではない。彼らを訪問して平安を祈り、出された物を食べ、病人を癒し、神の国を宣言するという主のご命令を実践に移す時が来ている。

 

また、人々を教会の聖書研究会に招いて基本教理を教えたり、パーティに誘って関係を築いたりしている場合ではない。すでに刈り取る季節が到来しているのだ。イエス様ご自身の顕現と臨在の物語を新しいぶどう酒とするなら、それを入れる新しい皮袋が必要だ。その場合、前にどこかで成功した方法はまったく役に立たない。

 

彼らはすでに主を経験している。また、語るべきメッセージを持っている。イエス様が津波から引き上げてくださったという話ほどパワフルな証は、そうはないだろう。外から宣教地に入って行く働き人ができることは、現地の人々がすでに出会ったイエス様との交わり(祈り)を始め、彼らが経験したことを他の人に伝えるようにと励ますことだ。

 

第4の夢は、増え広がる「パン種」のような、福音を媒介する新しいタイプのチームが起こされることを意味する。2020年までに1000の「家の教会」を開拓するというビジョンを掲げて発足した「宮城宣教ネットワーク」からも、そのようなチームが次々と送り出されていくのだと思う。そして、この増殖する働きのために用いられる人々は、あのおじいさんやおばあさんのような「普通の人々」なのである。