リーダー育成

コーチング事例:教会開拓者へのコーチング事例シリーズ

青島めぐみ

 

ルールがセルの命を絶つ

    秀次
  1. 調整というかお願いなんですけど、典子さんが順ちゃんのところから移ってきて、順ちゃんとうちの関係がしっくりいっていない。 僕は現場の監督をしているつもりなんですけど、コーチは教会の全体を見ているので調整が必要なのかなと。

 

    コーチ
  1. セルを自由に行き来してよいという原則があるよね。それは、自分でセルを決めるということ。典子さんが満智子さんを牧者として認識しているということは感じた。 典子さんの性格でセルの転会の手続きをうまくできないのはしょうがない。リーダーではなく本人がセルを決める。セル間のルールが筋道を持っていくときにセルは死ぬ。 自由であるという原則を崩したら組織ができる。そして命が絶たれる。移るというのは、命があるところに移るということ。 羊は自分が生かされるところに行く。メンバー制で留めておこうとするのが日本の教会だよね。それは人間的な秩序であって神様の方法とは違う。 結論から言うと、羊が命を保つためにはしょうがない。

 

    満智子
  1. これからどうしたらいいんですか。

 

    コーチ
  1. 典子さんは伝道したかった。その扱いを順ちゃんはできなかった。それをしてくれた満智子さんのところに行った。 それはしかたない。典子さんが来たことは自然なことなので、順ちゃんたちもそれを理解するはず。きつい言い方かもしれないけど、典子さんは順ちゃんのところから逃げたの。 教会間でも羊をとったとか言うけど、逃がすほうが悪いという見方もある。それも1つの正しい見方かも。

 

違いが生かされるためのストレス

    満智子
  1. 典子さんにどう接していいかわからない。

 

    コーチ
  1. 典子さんは特殊な賜物でしょ。人間関係の一切ないところで一発勝負で伝道していく。ところが、その後の取り扱いができない。メンバーとしてどう受け入れようかとか考えないでいいんじゃない。 独自な世界を持っている人がいるんだよ。変に調整しようと思わなくていい。 メンバーになってもらって和を保とうなんてすると、個性が生きてこない。彼女の賜物は特殊な賜物だから。

 

    満智子
  1. 典子さんのこと忘れててもいい?

 

    コーチ
  1. それでいいんじゃない。求道者を連れてきたとき、かかわるというのでいいよ。

 

    満智子
  1. 彼女はそんなに特殊じゃないと思う。コーチと認識がちがう。

 

    コーチ
  1. 井上さんたち夫婦は力がある。自分のセルの中で救われてきた人も育つし、他のセルからくる人も増えてくる。他から来る人は異質かというと、そうではない。かえってまったく同じ色になるのは危険。違いが生かされつつ拡大していく。 毛色の違う人が加わることによって生じるストレスは避けられない。このストレスは経験しておいた方がよい。これからセル開拓が進んでいくと、遣わされた人たちと遣わす私たちとの間でもこういう摩擦は起きるからね。 今からそのことに備えておいた方がよい。

 

不安があるから健全性が保たれる

    秀次
  1. 漠然と感じている不安は、これから責任が大きくなってくること。遣わす者としての責任も増してくるわけだから大胆になれない。ちょっと、待った。遣わすのはいいけど、失敗もするだろうし、フォローもどうすればいいのかつかめない。

 

    コーチ
  1. その思いは大きくなることはあっても、小さくなることはない。今、ハウスチャーチが流行っているけど、僕だけが持っている感覚がある。それは「メンバーに申し訳ない」ということ。 この平和な時代にハウスチャーチにして、僕が死んだあとメンバーはどうやっていくのか。既成教会にも戻れないし、どうなるのか。この不安は払拭できない。既成教会は次世代にバトンを渡すための枠組みを持っている。ハウスチャーチはイエス様だけだからね。 その責任はずっと負っていくんじゃないの。苦しいよね。その感覚を持っているから健全だと言えるのかもしれない。その恐怖感を持っていなかったら、どこか違うんじゃない。

 

    満智子
  1. 同じように不安だけど、私には別の不安もある。何か決断するときコーチならどうするんだろう、私じゃなかったらうまくいくんじゃないかって考える。 回心者が既成教会で生まれたらよかったとは思わないけど、うちじゃなかったらよかったのにとは思う。

 

    コーチ
  1. それは健全でしょ。その思いをともにしていないと教会じゃない。世の中だと自信満々でやっていく。でもそれって違うじゃない。人間の集まりでしょ。 神の国と世の違いというのは、不安を持ちながらでも神の世界を生きることができるとこでしょ。

 

    満智子
  1. 現場からもいろいろ言われるし、コーチは私がなにしているか知らないんですよ。ここでほめられて帰るのとはぜんぜん違うんですよ。 聖書はわからないし、伝道は失敗しているし、人格的に問題あるってメンバーに言われるし。

 

    コーチ
  1. それでもいいじゃん。不安があるからこそハウスチャーチは保たれる。不安があるから神様に頼ろうとするでしょ。それがなくなって、自分たちでやっていけると思うとダメになる。 神の世界ってわからないよね。今度、セル礼拝をメンバーに任せてみてはどうかな。井上さんの家を時間区切って貸してあげて、2人がいなくなるのはどう。 とにかく水の中に入れるっていうのはいいよね。